よく分かる水耕栽培

スマホでピピッと
米どころ新潟から、全国の水稲農家のみなさまへ

用語集

塩水選(えんすいせん)

イネの育苗を行うとき,種籾をうるち品種では比重1.13の塩水に浸して沈んだもののみを播種する.この操作を塩水選という.登熟不良や病虫害に犯された種子を除き,健全種子のみにする効果がある.古くから経験的になされていたが,1900年頃に福岡県農業試験場長の横井時敬(後の東大教授)が理論化や普及を行った

水管理(みずかんり)

水もれ(地下浸透)量が10~15mm/day,減水深(地下浸透+蒸発散量)は20~25mmが適当.活着期は深水で苗を保護,分げつ期は浅水でときどき田面を露出して酸素を土中に入れ,有機物の分解を促進する.中干し後,幼穂発育期には間断かんがいをする.出穂期はたん水する.その後間断かんがいにし,登熟終期に落水する.寒地で穂ばらみ期に低温(20度以下)が予想されるときは12~15cmの深水にして幼穂を保護する。

中干し(なかぼし)

幼穂分化開始の10~15日前に落水し,田面に軽く亀裂が入る程度に乾かすこと.土壌に空気を入れて還元状態を緩和して根を健全化し,過剰分げつを抑制するなどの効果がある。

側条施肥法(そくじょうせひほう)

田植えと同時に稲の条の横に沿って施肥すること.施肥効率が優れる。

いもち病抵抗性(いもちびょうていこうせい)

いもち病はいもち病菌の寄生により,稲病害の中で最大の被害をもたらす.被害は稲作付け全域に及び,生育全期を通し発生する.曇天が続き,日照が少なく,やや低温(25℃くらい)で湿度の高い条件で発生しやすい.苗いもち,葉いもち,穂首いもち,穂いもち病がある.病気が進むと枯れたり,出すくみや白穂を生じる.著しい場合は収穫皆無となる.伝染性が強く,広域蔓延する.菌の胞子は籾やワラに付着して残り,次年の発生源となる.窒素肥料が多すぎると寄生をうけやすい.防除には,上述の諸条件の回避と,薬剤による防除,抵抗性品種の導入がある.レースの変化で耐候性品種が罹病化することが多い.罹病しても病状があまり進行せず,収量には大きな影響がないものを耐性,または圃場抵抗性といい,この抵抗性は多数の遺伝子によって支配されているので永続性が高い。

pagetop